前回(前編)は、カムリのニット帽をつくってくださっている職人さんと、その手仕事に隠れた“見えない工夫”のお話をお届けしました。
後編では、その1枚に、どれだけの時間と神経がかけられているのか。品質へのこだわりと、つくれる数のお話です。
1枚ずつ、確かめながら

実は最初のサンプルで少し気になる部分があり、ご相談したところ、職人さんはデータから丸ごとつくり直してくださいました。1サイズ分でも、それだけで2時間ほどかかる作業だそうです。
品質へのこだわりは、日々の生産の進め方にも表れていました。編みながら5枚ごとに手を止め、生地を引っ張って伸び具合を確認し、基準に満たないものはB品として分けていく。なぜ5枚ごとかというと、万一の不良を、大量に出てしまう前に見つけるためです。

というのも、編み目の大きさは、糸の巻き加減やその日の湿気で、わずかに変わってしまうのだそうです。少し目を離すと、目が細かくなったり、荒くなったり。「糸の変わり目なのか、糸巻きのテンションなのか……」と、原因を探りながら、その日その日の具合に合わせて数値を細かく調整していく。職人さんいわく、このカムリのニット帽は、扱う商品のなかでも特に気をつかう“厳しい方”なのだそうです。だから夜のあいだは機械を回しっぱなしにせず、朝また確認してから進める。1枚1枚を、そうやって見てくださっています。
時間をかけて、つくってくれています


数字の話も、正直にお聞きしました。
編み目の粗いニット(ローゲージ)なら、1枚10〜15分ほどで編み上がるものもあるそうです。でもカムリのニット帽は目が細かく(10ゲージ相当)、1枚におよそ60〜90分。同じ「ニットを編む」でも、かかる時間がまるで違います。


そしてこの帽子を編める機械は、工場に2台だけ。2台をフルに動かしても、1日につくれるのは15枚ほどです。つまり、たくさんの数を一気につくることができません。しかも針が細かいぶん、その目に埃が詰まりやすく、掃除やメンテナンスにも手がかかる。そんな中でもし不良が出てしまったら――だからこそ、さきほどの5枚ごとの確認なのだと、話がつながりました。「早めにご依頼いただいて、時間に余裕をもってお願いしています」という職人さんの言葉に、こちらが恐縮してしまいました。

編み上がった後も、洗いの工程があります。カムリのウールは洗えるように選んだ素材(ウォッシャブルウール)ですが、それでも洗う時間や量に気を配りながら、社内の洗い担当の方がていねいに。乾燥機は使わず、自然に乾かしていく。最後はスチームをあてて、形を整える。ここまで来て、ようやく1枚のニット帽になります。


1枚に、これだけの思いが
工場を出るころには、頭の中がいっぱいでした。
つなぎ目のない編み方、見えないところの計算、サイズごとの調整、5枚ごとの確認、洗いと仕上げ。その一つひとつに、職人さんの「気持ちよくかぶってほしい」という思いが詰まっていました。しかもそのデータは、こちらの職人さんにしかつくれない。この帽子は、本当に“この人の手”でできているのだと実感しました。
時間はかかります。数もたくさんはつくれません。でも、そのぶんの理由が、この日ぜんぶ腑に落ちました。もう少しで、みなさんにお届けできるところまで来ています。次回もどうぞ、お付き合いください。
過去のブログは以下から^^
【ニット帽企画・第1回】フリーサイズはフリーじゃない。それはニット帽にも。
【ニット帽企画・第2回】被り心地を左右する、生地選びについて
【ニット帽企画・第3回】ニット帽のサンプルが届きました。
【ニット帽企画・第4回】3サイズ展開ではなく、4サイズ展開に広げました。
【ニット帽企画・第5回 (前編)】その帽子は、ひとりの手でつくられていました。





![TRY IT [サイズを確認]](http://camuri.jp/cdn/shop/t/3/assets/TRYIT1.jpg?v=177177620961764713671770711732)
![TRY IT [試着サービス]](http://camuri.jp/cdn/shop/t/3/assets/TRYIT2.jpg?v=163775272741042663181770711732)
![TRY IT [返品交換無料]](http://camuri.jp/cdn/shop/t/3/assets/TRYIT3.jpg?v=32006032680826458911770711732)